視力が落ちる原因は、大きく分けて生活習慣、病気、そして遺伝・体質の3つに分類できます。
1. 生活習慣によるもの
現代の生活様式が、視力低下の大きな原因となっています。
- 目の酷使: スマートフォン、パソコン、テレビゲームなどを長時間見続けることで、目のピントを合わせる筋肉（毛様体筋）が緊張し続け、疲労が蓄積します。これが続くと、一時的な視力低下（仮性近視）や、回復が難しい近視の進行につながります。
- 悪い姿勢: 猫背や、画面に顔を近づけすぎるような姿勢は、目に不自然な負担をかけます。
- 睡眠不足: 睡眠中は目の筋肉が休まり、疲労が回復します。睡眠不足は目の回復を妨げ、視力低下を招くことがあります。
- 栄養不足: 目の健康に必要な栄養素（ビタミンA、ビタミンB群、アントシアニン、ルテインなど）が不足すると、視力低下や目の病気のリスクが高まります。
2. 病気によるもの
視力低下が、目の病気のサインであることもあります。
- 近視・遠視・乱視: 目のレンズである角膜や水晶体の形状、または眼球の長さが原因で、光が網膜の正しい位置に結ばれず、ピントが合わなくなる状態です。これらは屈折異常と呼ばれ、近視は遺伝的な要素も強いとされています。
- 白内障: 加齢などが原因で、水晶体が白く濁り、光が網膜に十分に届かなくなる病気です。視界がかすんだり、ぼやけたりします。
- 緑内障: 視神経が徐々に傷つき、視野が欠けていく病気です。初期には自覚症状がほとんどなく、知らないうちに進行することが多いです。
- 加齢黄斑変性: 網膜の中心部にある黄斑に異常が生じ、ものが歪んで見えたり、中心部の視力が低下したりする病気です。
- 糖尿病網膜症: 糖尿病の合併症として、網膜の血管が障害を受け、視力低下や失明につながることがあります。
3. 遺伝・体質によるもの
近視は、遺伝的な要素が強いとされています。両親が近視の場合、子どもも近視になりやすい傾向があります。また、生まれつきの目の病気や、特定の体質が視力低下の原因となることもあります。
これらの原因を理解し、日頃から目を大切にすることが重要です。特に、現代の生活習慣による視力低下は予防できる可能性があります。 目に違和感や急激な視力低下を感じた場合は、早めに眼科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。