🤕 線維筋痛症(FMS)とは
線維筋痛症は、全身の優しさ(疼痛過敏)、筋肉や骨の痛み、全身疲労などを主症状とする、慢性的で長期にわたる病気です。

1. 主な症状
痛みは体の広範囲に及び、3ヶ月以上にわたって持続することが診断の一つの目安となります。
- 全身の激しい痛み: 筋肉、関節、腱などに、焼け付くような痛みや、鈍い痛みが持続します。
- 全身の強いこわばり: 特に朝方に強く感じられ、体が動かしにくい状態になります。
- 全身疲労・倦怠感: 激しい疲労感が常にあり、休息をとっても回復しないことが多いです。
- 睡眠障害: 不眠や、眠りが浅いことによる熟睡感の欠如がよく見られます。
- その他の症状: 頭痛(片頭痛)、うつ気分、不安、集中力・記憶力の低下(線維筋痛症霧/ブレインフォグ)、過敏性腸症候群(IBS)などの症状を伴うことがあります。
2. 原因
線維筋痛症の原因は完全には解明されていませんが、現在の研究では、脳や脊髄の**「痛みの回路」**に何らかの異常が起こり、本来痛みを感じない程度の刺激に対しても、痛みを感じやすくなっている(疼痛過敏)と考えられています。
発症のきっかけとなる要因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 身体的ストレス: 怪我、手術、出産、感染症など。
- 精神的ストレス: 強い精神的なショック、慢性的なストレス、うつ病、不安障害など。
- 遺伝的要因: 遺伝的な体質も関与していると考えられています。
3. 治療
線維筋痛症は治療が難しい病気(難病)の一つですが、適切な治療と生活習慣の改善によって症状を管理し、生活の質を向上させることが可能です。
- 薬物療法: 痛みを和らげるための薬(鎮痛薬、抗うつ薬、抗てんかん薬など、痛みの伝達を調節する作用があるもの)が使用されます。
- 非薬物療法:
- 運動療法: 無理のない範囲でのウォーキングや水中運動など、有酸素運動は症状の改善に有効とされています。
- 心理療法: 認知行動療法などにより、痛みに対する考え方や対処法を学びます。
- 生活習慣の改善: 十分な睡眠の確保、ストレス管理が非常に重要です。