1. なぜ「癖」になってしまうのか?
肩関節は体の中で最も可動域が広い分、構造的に不安定です。
- 組織の損傷:初めての脱臼の際、関節の縁にある軟骨(関節唇)や靭帯が剥がれたり伸びたりします。これらが元通りにくっつかないと、関節の「ストッパー」が効かなくなります。
- 骨の摩耗:脱臼を繰り返すと、骨同士がぶつかって削れてしまい、さらに外れやすい形に変わってしまいます。
- 「若さ」も要因:10代〜20代で初めて脱臼した場合、活動量が多く組織の修復力も特殊なため、再発率が**80〜90%**と非常に高いと言われています。

2. 自分でできる対策(保存療法)
手術をしない場合、関節を支える「インナーマッスル」を鍛えて、筋肉の壁を作るのが基本です。
- インナーマッスルの強化:「回旋筋腱板(ローテーターカフ)」を鍛えます。重いダンベルではなく、軽いゴムチューブなどでじわじわ動かす運動が効果的です。
- 避けるべき動き:「腕を外側に広げて後ろに反らす(投球動作のような動き)」は最も外れやすい角度です。着替えや吊り革を持つときなど注意が必要です。
3. 治療の選択肢
「癖」になってしまっている場合、自然に治ることは残念ながらほとんどありません。
| 治療法 | 内容 | メリット・デメリット |
| リハビリ | 筋力トレーニングで安定させる | 手術は不要だが、構造的な緩みは治らない |
| 手術(鏡視下) | 内視鏡で剥がれた関節唇を縫い合わせる | 傷が小さく、スポーツ復帰を目指せる |
| 手術(骨移植) | 骨が削れている場合、別の骨を移植して補強 | 強度は高いが、体への負担はやや大きい |