下痢は、便に含まれる水分量が異常に多くなり、便が液状または泥状になる状態を指します。通常、健康な便は大腸で水分が吸収されて適度な硬さになりますが、この水分吸収がうまくいかなかったり、大腸への水分分泌が増えたりすることで下痢が起こります。
下痢の原因
下痢の原因は多岐にわたりますが、大きくは急性と慢性の2つに分けられます。
急性下痢
主に細菌やウイルスなどの感染症が原因で起こることが多いです。
- 感染症: ノロウイルス、ロタウイルス、食中毒の原因菌（サルモネラ菌、O-157など）が挙げられます。
- 食べ物や飲み物: 冷たいものの摂りすぎ、消化の悪い食事、牛乳など特定の食品に対する不耐性（乳糖不耐症など）が原因となることもあります。
- 薬の副作用: 抗生物質や一部の薬が、腸内細菌のバランスを崩すことで下痢を引き起こすことがあります。
慢性下痢
下痢が2週間以上続く場合は慢性下痢とみなされ、以下のような病気や状態が原因として考えられます。
- 過敏性腸症候群（IBS）: 腸自体に病気がないにも関わらず、ストレスなどによって下痢や便秘を繰り返す病気です。
- 炎症性腸疾患: クローン病や潰瘍性大腸炎など、腸に慢性的な炎症が起こる病気です。
- 甲状腺機能亢進症: ホルモンバランスの乱れが、腸の動きを活発にさせることがあります。
- ストレス: 精神的なストレスが自律神経のバランスを崩し、腸の運動機能に影響を与えることがあります。
下痢の際の注意点と応急処置
下痢がひどいときは、体内の水分や電解質（ミネラル）が失われ、脱水症状になる危険性があります。以下の点に注意しましょう。
- 水分補給: 水分だけでなく、塩分や糖分も同時に補給できる経口補水液やスポーツドリンクを少しずつこまめに摂りましょう。
- 消化に良いものを食べる: 脂っこいもの、冷たいもの、食物繊維の多いものは避け、おかゆやうどん、すりおろしたリンゴなど、消化の良いものを中心に摂りましょう。
- 温める: お腹を冷やさないように、温かい飲み物を飲んだり、腹巻などを使ったりして温めましょう。
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